スポーツ整形外科について

スポーツ整形外科とは、スポーツを原因として運動器が障害された場合に診療を行う診療科です。当院では日本整形外科学会認定スポーツ医であり、日本スポーツ協会公認スポーツドクターである院長が、アマチュアレベルからプロレベルまで、様々なスポーツによるケガの診療を行っています。

診療にあたっては、ケガをしたスポーツの種類や発生状況、年齢や競技歴、目標などを問診にて丁寧にお伺いし、早期に診断を行い、リハビリテーションも含めた治療計画を立て、早期復帰、および予防についても念頭に置きながら治療を進めていきます。早期復帰のためには早期からの適切な治療が非常に大切ですので、お早めにご受診ください。

スポーツ外傷とスポーツ障害とは

スポーツによる「ケガ」は、大きく二つに分けられます。「スポーツ外傷」と「スポーツ障害」です。スポーツをしている最中に一度の大きな外からの力によって発症するのが「スポーツ外傷」で、打撲や捻挫、骨折などがあります。また同じ動作の繰り返しによるオーバーユース（使いすぎ）や、同じ場所への持続的な負荷によって発症するのが「スポーツ障害」で、野球肩、テニス肘、ジャンパー膝などがあります。

スポーツ外傷・障害の治療では、日常生活への復帰という通常の治療目的とは異なり、再びスポーツができるレベルまで回復することや次に同じ障害を起こさないように予防することが目標となります。基本的には、より早期に、より高いレベルでの復帰が望まれるため、競技ごとに、どのように外傷や障害が引き起こされるか、それぞれにおけるトレーニング理論も理解しつつ、リハビリテーションを含めた治療を行っていくことが重要になります。

当院では、スポーツ障害・外傷の原因をMRIや超音波検査を用いて迅速に診断し、痛みなどの症状を改善することはもちろん、ケガをしにくい身体づくりを充実したリハビリ環境でサポートし、再発を防止していきます。早く練習に戻りたい、近々試合がある、といった患者さまの状況に、なるべく対応できるよう、アスリートの治療経験豊富な理学療法士と共にリハビリテーションを計画し、行っていきます。

スポーツによる外傷や障害は、早期の治療が大切です。痛みなどの症状をそのままにしていると、治療に時間がかかったり、悪化させたりする恐れがありますので、関節の痛みや腫れ、動かしにくさなどがある場合は、できるだけ早くご受診ください。

主なスポーツとスポーツ外傷・障害の例

サッカー ・足関節の捻挫　・手・指の骨折　・手関節の捻挫　・打撲　・肉離れ　など
野球・ソフトボール ・野球肩　・野球肘　・投球障害　・シンスプリント　・腰痛　・椎間板ヘルニア　・腰椎分離症　・すべり症　・肩インピンジメント症候群　など
サッカー ・足関節の捻挫　・半月板損傷　・靭帯損傷　・肉離れ　・手・指の骨折　など
テニス ・テニス肘　・肩インピンジメント症候群　・シンスプリント　など
卓球 ・腰椎分離症　・腰椎椎間板ヘルニア　・靭帯損傷　・腱鞘炎　・上腕二頭筋筋腱炎　など
ゴルフ ・ゴルフ肘　・腰痛　・腰椎椎間板ヘルニア　・股関節痛　・膝関節痛　・手関節痛　・ばね指　など
バレーボール ・突き指　・ジャンパー膝　・腰椎椎間板ヘルニア　・腰椎分離症　・腰椎すべり症　・足関節捻挫　など
バスケットボール ・ジャンパー膝　・足関節の骨折　・突き指　・足底筋膜炎　・肉離れ　・シンスプリント　など
ラグビー ・骨折　・打撲　・肩の脱臼　・半月板損傷　・靭帯損傷　・肉離れ　など
柔道 ・足、指の骨折　・鎖骨の骨折　・足関節の捻挫　・手、指の骨折　・膝関節の捻挫　など
陸上 ・ランナー膝　・ジャンパー膝　・シンスプリント　・足底筋膜炎　・外脛骨炎　など

各部位における、スポーツ外傷とスポーツ障害の例

部位 スポーツ外傷 スポーツ障害
頸部 頸部（頚髄、頸椎）損傷、バーナー症候群 　
肩・上腕 投球骨折 野球肩、水泳肩、上腕二頭筋長頭腱障害、肩峰下インピンジメント症候群
胸部 　 鎖骨骨折、肋骨疲労骨折
肘関節、前腕 　 野球肘、テニス肘、ゴルフ肘、離断性骨軟骨炎、尺骨疲労骨折
手、指 スキーヤー母指、槌指 　
腰部 　 脊椎分離症
大腿 　 大腿骨疲労骨折
骨盤、股関節 骨盤裂離骨折 坐骨結節骨端症、骨盤疲労骨折、大腿骨頸部疲労骨折
脚の筋肉 肉離れ・筋断裂、筋挫傷 　
膝・下腿 半月板損傷、膝十字靭帯損傷、膝蓋骨脱臼 離断性骨軟骨炎、ジャンパー膝、ランナー膝、腸頸靭帯炎、鵞足炎、シンスプリント、オズグッド・シュラッター病、シンティングラーセン・ヨハンソン病、脛骨疲労骨折、腓骨疲労骨折、テニスレッグ
足 アキレス腱断裂、足関節靭帯損傷 シーバー病、アキレス腱炎・周囲炎、足底腱膜炎、中足骨疲労骨折、踵骨疲労骨折、舟状骨疲労骨折